【大縄跳び】

クラスの中で一人だけ「大縄跳び」がうまくできない男子生徒がいた。

長さ二十メートルの縄をクラス全員で跳ぶ。中学校の運動会が迫っていた
その子がいないと何回でも跳ぶことができる。

先生は本人と話し合って声掛け役をお願いした。
このクラスが一番上手になった。

「優勝確実」

先生は思った。
「これでよかったのだろうか」
運動会の前日、女子生徒が
「一人だけ外すのはいやだ」と言いだした。

全員で話し合うことにした。まず本人の気持ちを確かめた。
「やりたい」

だったらみんなで頑張ってみようよ、という意見と、でも勝ちたいし、という意見に分かれた。
勝つって何?仲間って何?―。最初は反対した子が言う。

「少ししか跳べないかもしれないけれど、一緒に跳べたら、外して跳べることより、もっとうれしい」。だれも反対しなかった。大切なものを見つけたようだった
当日だれもが驚いた。あの子の足元を初めて縄がすり抜けた。

みんな「やった―」。

ひっかかっても、跳べたことがうれしくて抱き合って喜んだ。最初は一回、次は二回。
中断するたびにそのクラスだけ歓声が上がる。

家族たちは不思議そうに眺めていた。
跳びながら、みんな泣いていた


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【大縄跳び】
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