【おやすみ、ばあちゃん】

俺の父方のばあちゃんは田舎で一人暮らしをしてて、夏休みや冬休みは、家族でばあちゃんの家に遊びに行くのが本当に楽しみだった。
ばあちゃんはいつもニコニコ、俺たち孫が遊びに来る日に合わせて、俺たちが好きそうなお菓子を買い込んで、楽しみに待ってくれてた。

だいたい、遊びに行く時は2泊とか3泊なんだけど、滞在してるその間に、たぶんいつも10回は
「○○は本当に優しい子だねぇ」
「○○の将来が楽しみ」
みたいにいっぱい褒めてくれてた。

(もちろん弟と妹にも)ばあちゃんから教えてもらった事は数えきれない程ある。
ぞうきんの上手な使い方、あやとり、折り紙、肩たたき、野菜を初めて包丁で切ったのもばあちゃんの家だったし、生まれて初めての一人旅の行き先もばあちゃん家だった。
そんな、大好きなばあちゃんに一度だけ怒られた事がある。

小学5年だったか、6年だったか、ばあちゃん家に遊びに行く直前、友達と大喧嘩をした時があって、(理由はほんと些細な事で)ばあちゃんに友達の悪口をいっぱい言った時、「すっきりしたかい?○○」と聞かれた。
「うん」と答えたらばあちゃんは少し黙った後
「○○や、ばあちゃんあまり口うるさい事は言いたくないんだけどね、人様の事を影で悪く言って
もしも心がスッキリした気持ちになったら、それは、自分の中に育っちゃいけない悪い心が住み着いてるって教えてくれてるんだよ」と言われた。

友達の悪口を言った後、俺はたしかにスッキリした。
だけど、ばあちゃんからその言葉を言われた後、とてつもない後悔に襲われて泣き出してしまった。
するとばあちゃんは、俺の背中をさすりさすりしながら
「○○、大丈夫だけぇ。あんたが今泣いとる気持ち、悪い心をやっつけてくれる強い心がちゃんとおってくれとる証だけぇ。○○なら大丈夫だけぇ」と言ってくれた。

俺はおいおい泣きながら、ばあちゃんのあったかい手を背中で感じながら
もう二度と悪口なんて言うもんかって心に誓った。

昨日、ばあちゃんの穏やかな顔を見ながら、その事を思い出した。
じいちゃんに会える喜びからかな、ばあちゃんの顔はとっても安らかでした。
俺、ばあちゃんの自慢の孫でいられたかな。

もう一度ばあちゃんに会える資格のある人間かな。
きっとばあちゃんなら天国に行くと思うから、ばあちゃんに会えるよう、強い心いっぱい育ててみせるよ。
おやすみ、ばあちゃん。


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