【おばあちゃんまたね】

おばあちゃんの記憶で一番はっきり思い出せるのは、遊園地に行ったときのこと。

20年近く前は姉・兄・私の三人を連れてってくれたけど、姉が自分の友達と遊ぶようになってからは兄と私だけになり、最後は私だけがおばあちゃんと遊園地に行った。

小さいけれど眩しかった遊園地で、めいいっぱい遊んだ。
乗物券が無くなると、遠慮容赦なくおばあちゃんにお金を貰いに行った。
手を出す私におばあちゃんは気前よく小銭をくれた。

「私はあそびまくってるから楽しいけど、ずっとベンチに座ってるおばあちゃんは楽しいのかな?」
と子供心に不思議だった。

陽あたりの良いベンチで膝をニコニコ微笑むおばあちゃんの顔を思い出すたびに、泣けてくる。
こんどあらかわ遊園地に行ったら泣くかも知れない。

もうおばあちゃんとの新しい思い出は作れない。
毎年お年始の挨拶の帰りに「おばあちゃんまたね」
って言ってたけど、それももう言えない。

そう考えると、とても悲しいです。



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【おばあちゃんまたね】
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