【シンデレラ城ミステリーツアー】
ミステリーツアー、キャストさんのお話
この話は、私が以前、シンデレラ城ミステリーツアーで勤務していたときの出来事です。
私がデビューして半年位したころに、ある養護学校の生徒さんが数名、私のツアーに入られました。私は「大丈夫かな?怖がって、出てしまうんじゃないかな?」と少し不安になりながらツアーを始めました。
ツアーが進み、私が魔法の鏡とやりとりをしているのを聞いて、生徒さんの1人が私に「お姉ちゃん、あいつ悪いやつなの?」と尋ねてきました。私が「うん、あいつ悪いやつで、お姉ちゃんのこと、いじめるの!」と答えると、それまで怖がりながら私の後ろについてきてた生徒さんたちが私をとり囲んで、「僕たちがお姉ちゃんのこと守ってあげるよ」と言ってくれたんです。
しかも、ツアー中、ずっと私の手を握っていてくれました。
そしていよいよ、最後の部屋で悪の大王と戦う勇者を1人選ぶときがきました。私が「どなたかいらっしゃいませんか?私と一緒に悪の大王と戦って下さい!」とお願いすると、1人の男の子が小さく手を上げてくれました。
養護学校の生徒さんの1人でした。
そして私が、「大丈夫?本当にお姉ちゃんと戦ってくれるの?」と尋ねると「僕ね…本当はとっても恐いんだ。でも、お姉ちゃんのためにがんばるよ。」そう言って、勇気を出して戦ってくれたんです。もちろん、彼は見事に勝利を納め、私は彼に勇者のメダルを首にかけてあげました。彼のあのときの笑顔は忘れられません。ツアーが終わり、私がお城の下でツアーの皆さんを見送っていると1人のおばあちゃんが、泣きながら私の所へ握手を求めてきました。さっき、戦ってくれた男の子のおばあちゃんでした。
「本当にありがとう。私は今までにあの子のあんなにうれしそうで誇らしげな顔は見たことがない。今日は連れてきて、本当に良かった。」そう言ってくださいました。
私はこのときに、うれしくて、本当にこの仕事をして良かったと心の底から思いました。
そして同時に“ハピネス”というのは、私たちキャストがゲストに提供するだけでなく、こんなにもステキな“ハピネス”をゲストから受け取ることがあるんだ!ということを知りました。
私にとっては、何年たっても忘れることのできない、大切な思い出です。
そして、このときの気持ちを思い出して、1人でも多くのゲストに「今日は来て良かった」と思ってもらえるような、ゲストサービスをしていきたいと思います。
いつまでも、キャスト・ゲスト共に幸せな気持ちになれるパークでありますように…
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【シンデレラ城ミステリーツアー】
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