【ひとりぼっちの母】

私も弟も所帯を持って家を出て、田舎に両親を二人きりにしてしまっていた。
小さな会社を経営していた親父は何よりも仕事優先で遊びも仕事関係の仲間とばっかりだった。
そんな親父が二人きりになってからは母とあちこち出かけていたらしい。

でも1年前、親父が心臓発作であっけなく逝ってしまってから母は大きな家にずっとひとりだった。
おそらく母の60数年の人生で初めてのひとり暮らしだろう。

今年の節分の翌日、用があって実家を訪ねたとき窓の外に節分の豆が落ちていた。

母が夜、たったひとりで豆まきをしていたんだと思った途端突然涙が出てしまった。
数粒の豆を見下ろしながら、涙が止まらずなかなか家に入れなくて困った。


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【ひとりぼっちの母】
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